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YAMINABE Fes! ― 創作集団コルドロン

秋田県で活動している『創作集団コルドロン』のブログです。サークルの活動や展示会など、色々な情報をお伝えします。

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【YA・MI・NA・BE・fesⅡ 今昔秋田綺譚】作品紹介・『鹿野姫』

 くわだてごと担当の逆木です。


 いよいよ作品紹介も最後になりました。
 本日ご紹介するのは『鹿野姫』です。


 原案提供と物語は逆木一。
 絵はゑびすさんです。

 せっかくですので、今昔秋田綺譚の今までの経緯についてもお話ししましょう。
 今昔秋田綺譚は、『鹿野姫』から始まった言っても過言ではありません。
 

 2012年11月、『出羽ノ国草子』という展示会を成功させた創作集団コルドロンは、早速次の企画の立ち上げに取り掛かります。当時はまだサークルの新参だった私も、第二弾企画の最初期から携わっていました。
 そして、11月中に、第二弾企画の最初の草稿が出来上がりました。
 まだ『今昔秋田綺譚』という名称も何もありませんでしたが、その時から既に、
・絵描き×物書きのコラボレーション
・秋田を題材にした作品制作
・伝承を今日の視点でアレンジする
 という、第二弾企画における大きな柱は出来上がっていました。
 また、どんな作品を作るのか、ということについては、「各メンバーが地元の伝承等の題材を持ち寄り、提案する」ということも決まっていました。 

 その年の冬。
 第二弾企画の言い出しっぺということもあり、私は早速、ひとつの物語の草稿を仕上げ、メンバーに提示しました。こんな感じで題材を出して、アレンジすればいいんじゃないかな? ということを示すためでした。これが『鹿野姫』の原型です。
 後日、メンバーの手に渡ったその草稿はある人の目に留まり、その方はコルドロンの門戸を叩きました。
 ゑびすさんです。
 「この話の絵を描きたい」とゑびすさんが言ってくれた時は、正直、感激しました。
 これがゑびすさんとコルドロンの出会いでした。

 2013年3月。
 『鹿野姫』の物語が完成し、企画の名称も『今昔秋田綺譚』に決定します。このタイトルに込められたものは、また今度の記事で。
 当初考えていた鹿野姫の表現形式は、私が当時作った文書を見ますと、
「『絵巻』、文章は縦書きにて物語は右から左へと展開。上に絵、下に文。今後(紙芝居的な展開もあるかも?)を考えて、絵と文は切り離す方向で。絵それ自体は一枚一枚ながら、展示に際してはそれぞれの間隔を狭めて連続性を出したい」
 とあります。既に「絵巻」というキーワードが出ていますが、この時点ではまだ物理的な絵巻物を作ることまでは想定していなかったようです。
 しかし、この提案に対し、ゑびすさんが
「もういっそ巻物作っちゃえばいんじゃね?」
「それだ!」

 こうして、やがて今昔秋田綺譚の統一表現形式となる「絵巻物」というアイデアも、鹿野姫から生まれました。
 そして、長い長い製作期間が始まります。


 それでは、前置きが長くなりましたが、作品紹介と参りましょう。


『鹿野姫』


 突然ですが、
・秋田の女性
・秋田のお米
・秋田新幹線 
 この三つに共通するものとはいったい何でしょうか?

 そうです。こまち。「小野小町」です。
 世界三大美人のひとり。六歌仙に選ばれたただひとりの女性。秋田美人のルーツ。
 色々ありますが、秋田のイメージを一身に負って立つこの女性は、秋田県雄勝町が出生の地とされています。
 これはもう、今昔秋田綺譚で取り上げないわけにはいきませんでした。
 『鹿野姫』のベースにあるのは、「小野小町とは何者か?」という疑問です。
 秋田県雄勝町における小野小町の伝承は、下記のページでわかりやすく紹介されているのでご覧ください。

道の駅おがち「小町の郷」・小野小町伝説

 『犬子市由来記』の紹介記事でも似たようなことを書きましたが、この手の伝承には疑問点、あるいはツッコミどころが多く存在します。

・なぜ、小野小町は秋田県雄勝町出身でなければならないのか?
 (小野小町の出生地とされる場所は日本中にあります)
・なぜ、小野小町はあれだけの才能を発揮できたのか?
・なぜ、小野小町は都を離れ故郷に帰ってきたのか?
・そもそも、小野小町とは何者だったのか?

 物書きとして、あくまで伝承を物語として冷静に考えた時、決して見逃すことのできない疑問点が見つかります。
 数々の疑問と、それに対する答えを求める姿勢が、『鹿野姫』として結実したわけです。

 『鹿野姫』の物語を作り上げるにあたり、小野小町に関する多くの文献を調べました。
 その中で、決定的な役割を果たしたのが、今から200年ほど前に秋田を旅した紀行家・菅江真澄の著作『小野のふるさと』の記述です。詳細は書きませんが、私はそこから、「小野小町とは何者か」「なぜ小野小町は故郷に帰ってきたのか」という疑問に対する答えを得ました。
 そこに、雄勝町に残る伝承や、謡曲『関寺小町』の要素を加え、『鹿野姫』の物語を紡ぎました。
 『鹿野姫』という作品は、「小野小町」という謎の女性に対する、私なりの回答です。
 文章量的には決して饒舌に語る作品ではありませんが、物語を作り上げるにあたり、ありったけの心血を注いでいます。


 さて、『鹿野姫』に心血を注いでいるのは、私だけではありません。
 絵を担当するゑびすさんもまた、並々ならぬ熱を『鹿野姫』に込めています。

 まず、完全アナログ原稿です。
 PCは一切介在させず、取り寄せた長尺の和紙に直接絵を描いています。
 さらに、汚れや傷といった表現/加工も施すということで、おおよそ作り得る最高の作品に向かって邁進しています。
 こんな具合に。

和紙表現

 いったいどんな絵巻に仕上がるのか、今日の時点でもなお明らかではありません。ラフ以降、私も本編を一切見させてもらっておりません。情報閉鎖してまで全身全霊で取り組んでいるゑびすさんの絵を、ただ、ただ、信じて待つのみです。しかし、待ち遠しくてなりません。

 ここに一枚の絵があります。
 本編に関しては完全秘密主義のゑびすさんが、ポスター製作用にと描いてくれたものです。

鹿野姫

 『鹿野姫』という作品を端的に示すこの絵から、みなさまは何を読み解くでしょうか?

 物語の中身について、あえてここでは語りません。 
 お伝えしている通り、『鹿野姫』の原案は「小野小町」という女性です。
 とはいうものの、作品の中に小野小町という言葉は一切登場しません。
 ですが、『花の咲く星』同様、最後まで見終わった時、きっと小野小町のことを思い起こしてもらえるはずです。
 その時こそ、小野小町の“本質”に連なることができたという意味で、『鹿野姫』という作品は大成功だったと言えるでしょう。


 『鹿野姫』。
 今昔秋田綺譚の作品中、最も昔の物語であり、実際の展示においても、最初にみなさまをお出迎えします。


 ぜひ、会場で目の当たりにしてください。


ブログ用

◎開催日時
5月3日(土)9:00~19:00
5月4日(日)9:00~16:00

◎開催場所
横手市交流センター「Y2プラザ」・1階オープンスペース
アクセス

◎主催
創作集団コルドロン

◎入場無料です!

◎展示作品
『今昔秋田綺譚』 6作品(巻物7本・デジタル展示1本)
『秋田の仰事』   1作品(巻物1本 ※)

※秋田県にゆかりのあるクリエーターの皆様に、
 「秋田の行事」をテーマに自由な発想で描いてもらった作品を繋げた連作絵巻です。
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